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Your violin and my rifle varitra

Your violin and my rifle

varitra

Published
ISBN :
Kindle Edition
25 pages
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 About the Book 

――この世に生まれ落ちたとき、僕らはまず「音」を授かったんだ。人間が持った一番はじめの楽器は、心臓の鼓動。コーダは奏兵の少年だ。得意な楽器はヴァイオリンとライフルの合いの子、弦楽銃(ストリング・ガン)。ヤマハ製で、キャラメル色のマホガニーの銃身。撃鉄が撃針を叩くとき、ビィンと弦のふるえる音が鳴る。コーダは音楽以外のことが、よくわからなかった。みんなが笑うものも、泣くものも。楽しむものも、辛いのも。だから、いつも願ってた。自分の大好きな音楽で、人とつながりたいのだと。More――この世に生まれ落ちたとき、僕らはまず「音」を授かったんだ。  人間が持った一番はじめの楽器は、心臓の鼓動。コーダは奏兵の少年だ。得意な楽器はヴァイオリンとライフルの合いの子、弦楽銃(ストリング・ガン)。ヤマハ製で、キャラメル色のマホガニーの銃身。撃鉄が撃針を叩くとき、ビィンと弦のふるえる音が鳴る。コーダは音楽以外のことが、よくわからなかった。みんなが笑うものも、泣くものも。楽しむものも、辛いのも。だから、いつも願ってた。自分の大好きな音楽で、人とつながりたいのだと。今日も奏兵たちは街なかで、みんなで〝演奏会〟をひらいてる。生真面目な指揮者のカランドに、不真面目な先輩奏者のアンダンテ。弦楽銃(ストリング)、鼓機関銃(ドラム)、木琴銃(シロフォン)、金盤迫撃砲(シンバル)――いろとりどりの楽器たち。演奏の曲目は、ラヴェルの『ボレロ』。なにひとつ淀みのない演奏会のはずだったんだ。銃じゃない楽器を持った、彼女に出逢うまでは。僕らは誰もが音になりたいと願っている。この地球上で最も尊い音に。何も心配することはない。もしも撃たれて倒れるとき&